千葉市緑区おゆみ野 まなこどもクリニックのホームページへようこそ。

水 痘 2001.4
桜も散って、新緑が本当に美しい日々となりました。
入学式も終わり、みんな新しい生活に張り切った気持ちで向き合っていることでしょう。

当院の周囲では、一時期多かったムンプスが減り、水痘、伝染性紅斑(リンゴ病)、溶連菌感染症が少し増えています。ウイルス性の胃腸炎も流行っています。
吐いたり下痢したりするのは、とてもつらいことですよね。こどもは脱水になりやすいですから、吐いていて飲めないときは早めに受診しましょう。

今回は、こどもの感染症の代表格の、水痘(みずぼうそう)についてお話します。
水痘は水痘―帯状疱疹ウイルス(Varicella-ZosterVirus)の感染によっておこります。
潜伏期は14〜21日で、虫刺されの様な発疹が体や顔、頭皮にでき始め、数日で体中に広がり、水疱となります。水疱は3日ほどで黒いかさぶたとなりますが、新しい水疱もどんどんできてきます。全部の水疱がかさぶたになるのに、大体1週間くらいかかります。熱は、でないこともありますが、2〜3日でることもあります。

発疹出現1〜4日前から、発疹出現後5〜6日後まで、人に感染する可能性があります。全部の水疱がかさぶたになるまで、学校、幼稚園は休ませるようにします。
合併症
水痘は、今述べたように、たいていはそれほど重くならない疾患です。しかし、抗がん剤やステロイド剤等の薬を飲んでいる方、また、お母さんが水痘にかかったことがない新生児などは重症化が心配されますので、入院で治療することが多いです。
いろいろな合併症をおこして苦労するお子さんもいます。
いちばん多いのは皮膚の細菌感染です。水疱はかゆいですから、かくことで皮膚のブドウ球菌などが傷口に侵入し、ひどく膿んでしまったり、とびひなどを起こすことがあります。
ウイルスが脳へ行くと、脳炎や小脳失調を起こすこともあります。アスピリンなどを水痘の子に使用すると、ライ症候群というこわい疾患を誘発することがある、といわれており、解熱剤を使用するときにはその種類に注意することが大切です。肺炎を合併することもあります。

治 療
水痘の時には、昔から白い軟膏をつけましたよね。あの薬は、フェノール亜鉛華リニメントといって、患部の乾燥を促進し、感染を抑える、といわれているものです。今は、よいかゆみ止めや抗生物質の軟膏などが出てきているので、使わないお医者さんもいると思います。
とにかくかゆく、かいてしまうと感染を引き起こし、その部分が痕になったりするので、かゆみ止めを飲んでもらうことがあります。
数年前より抗ウイルス薬が使われるようになりました。ゾビラックスという薬です。
発症初期に使い始めると、使わない場合より、水痘疹が少なくてすみ、また、1〜2日早くかさぶたになります。ただ、水痘は通常はそれほど重症にならない疾患なので、健康なお子さんには特に抗ウイルス薬は飲ませる必要がない、という考え方の医師もいます。私個人としては、抗ウイルス薬を飲んでいる子と飲んでいない子では、発疹のかゆみのつらさ(期間と程度)がかなり違うようなので、服用をお勧めしています。
他には、かゆみ止め、解熱剤などを処方します。
目の周囲に水疱ができたときには、病変が角膜に及ばないように抗ウイルス剤の眼軟膏を目につけることがあります。
水痘にはワクチンがあります。水痘にかかると重症な合併症を起こすこともありますから、わたしは接種をお勧めしています。ワクチンについて詳しいことは、前回の小児科Q&Aを参照してください。

帯状疱疹
水痘のウイルスで他の形の病気がおこることがあります。帯状疱疹という病気です。
水痘になったときに、治ったあとも水痘ウイルスが脊髄神経節に潜んでいて、抵抗力が落ちたりしたときにウイルスが暴れだし、神経の走行に沿って帯状に水疱ができます。胸にできることが多いですが、おしりや手足、顔、どこにできてもおかしくありません。痛みを伴うことが多いです。帯状疱疹の人から水痘をやっていない人にウイルスが感染して、水痘が発症することがあります。
今日も水痘のお子さんが受診されました。発疹はたくさんでていますが、とても元気で、隔離室の狭い空間で、どたばたやっています。
<こんなに元気なのに、お外に行ってはいけないのですか?家の中で過ごすのが大変なのです。>
お母さんがこうおっしゃることは多いです。でも、お外にでると、他の人にうつしてしまいますよね。水痘がうつるととても重症になる人もいますので、いましばらくのがまん。おうちのなかで過ごしてくださいね。


インフルエンザ
麻疹の予防接種
アデノウイルス感染症
発熱
絵本について
病児保育室
麻疹U
アセトン血性嘔吐症
咳の話
食中毒U
食中毒
麻 疹
水 痘
おたふくかぜ
熱性けいれん
胃腸炎
風邪と中耳炎
風邪と抗生物質
溶連菌感染症
なつかぜ

Copyright(C)MANA KODOMO CLINIC,2000-2006 All rights reserved.Top