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アセトン血性嘔吐症
2001.12
もうすっかり冬の風が吹きはじめましたね。10月、11月にはホームページが更新できず、申し訳ありませんでした。身内に不幸があり、バタバタしているうちに日にちが経ってしまいました。
寒さと空気の乾燥がすすむにつれ、医院の待合室も、咳をしたり熱が出たりしているこどもたちで大分混雑してきています。
こどもが風邪をひいたとき、おなかをこわしているわけではないのに吐くことがありますよね。体質的にとても吐きやすいお子さんもいます。今回は、アセトン血性嘔吐症についてお話します。
むかしから、自家中毒、と呼ばれていた病気です。
こどもが遠足とか運動会とかでとても元気に一日を過ごし、疲れて夕飯も食べずに寝てしまった。翌日朝、ぐったりとして起きられず、何か飲ませても吐いてしまう。こんな状況は自家中毒と呼ばれています。
繰り返しおなじようなエピソードがおこります。同じようなことが、風邪をひいて食欲がなくなったり、おなかをこわして下痢や嘔吐があったりするときにもおこります。
こどもは非常にぐったりし、時には起こしても目が覚めない、すぐ眠ってしまう、という状態になることもあります。
なぜこのような状況になるのでしょう。
人間の体の動力として、糖は大変大切な役割を果たしています。こどもは糖の貯蔵が少ないので、外からおぎなわれないとすぐ糖が足りなくなってしまいます。
糖は、体の中では肝臓や筋肉の中に貯蔵されています。肝臓の中の糖の貯蔵は数時間しかもちません。それが使い果たされると、筋肉から糖が動員されます。筋肉からの糖も足りないと、脂肪が替りの栄養源として使われます。
脂肪は分解されて栄養源となりますが、脳は脂肪を栄養源として用いることができないので、血糖が一定以下に下がると、吐き気や眠気、ぐったり、意識混濁、といった症状がでてくるのです。
脂肪が分解されると、ケトン体という代謝物が出てきます。ケトン体は酸性なので、血液は酸性に傾きます。そのことが吐き気を助長することもあるようです。
どのようにすればこのようなことが避けられるのでしょう。
まずは糖を補給することです。ぐったりして吐いているときには、糖分の入った水分をほんの少しずつ少しずつ飲ませて下さい。乳製品は胃での停滞時間が長いので吐気が強いときにはやめたほうが良いです。吐気止めを使って水分がとれるようにしてあげても良いでしょう。吐気が強くてどうしても吐いてしまう、ぐったりして眠りがち、などという状態の時には点滴して糖分と水分を補給することが必要です。
普段の生活で気をつけること。食事(特に夕飯)をぬかないでしっかり食べること。
アセトン血性嘔吐症を繰り返しているお子さんに関しては,食事は普段から脂肪分を控えめにして、でんぷん質中心の食事にすること、などが重要です。
重症な自家中毒を繰り返す場合には、代謝異常や脳腫瘍など重症な病気がかくれていることがあります。あまり頻繁な場合には医師に相談して下さい。


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