院長コラム
症状の伝え方
こどもが風邪を引いたようなので受診しました。看護師さんの問診で、どのような咳が出ているか聞かれましたが、夜中は良く出ていたのに、診察の時にはまったく出ていなくて良く分かりませんでした。また、咳の感じもいつもと違うようなのですが、医師にうまく伝えられませんでした。上手に症状を伝えるにはどうしたら良いのでしょうか?
一口に『咳』と言っても、乾いたいがらっぽい咳や、タンの絡んだ咳。ヒューヒューと息苦しい咳など、口で簡単に説明できないほど実に様々です。中にはご質問のように、夜の咳は眠れないほどなのに、受診された時にはまったく出ていないので、どのように治療を行ったら良いのか、親御さんも私たちも悩んでしまう事も多くあります。
そこで活躍するのが、ビデオやデジカメ、携帯カメラなどです。
夜中や朝方しか出ない咳。上手く表現できない咳の音を録音・録画し、診察の際に聞かせていただくのです。咳の中には、その音を聞けば病名が特定できるほど特徴的なものもありますから、私たちも、よりお子さんに合わせた治療を見つけやすくなります。
他にも、実際に見たいけれど診察時には消えてしまうモノとして、皮膚の症状があります。
代表的なものは『じんましん』と呼ばれる症状です。
お風呂上りや食事後に急にあらわれ、翌日の受診時には跡形もない。聞く私たちも、説明してくれるお母様も『ボコボコと赤くはれたのがたくさん出た』=『じんましんかな?』というような、納得いくような、いかないような診察になってしまいます。
それが、映像で見られれば一目瞭然。お互いすっきりします。
また、赤ちゃんの訴えで多いのが『ウンチの異常』です。
『血のようなもの』『白っぽい』『タンのようなものが混じる』などの場合、出来ればオムツごと見せていただくのが最善の方法です。私たちはオムツを開き、臭いを確かめたりもしますから。
それが無理な場合は、映像で見せていただくだけでも十分です。特に血液の場合、時間が経つと変色するので、クリアな状態の映像があると診察上とても助かります。
『百聞は一見にしかず』
折角の便利な機械。上手に活用し、診察室でのコミュニケーションがスムーズになると良いですね。
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