院長コラム

2012年03月01日院長コラム

はじめての集団生活

子供が4月から保育園に行くことになりました。いままで集団生活にはいったことがないので心配です。どんなことに気をつけていけばよいでしょうか。

はじめての保育園生活、御心配でしょうね。お母さんと離れるのもきっと初めてでしょうね。身体的な面と、精心的な面、両面からいろいろなことを考慮していかなければいけないですね。

まず、身体的な面についてです。保育園 はこどもの集団です。ですから、お互いの風邪のうつしあいは必発だと思って下さい。みんな、咳をしたり、鼻水を垂らしたりしています。
小さい子どもたちは、まだ免疫機能が未発達です。カゼや胃腸炎などのウイルスにもはじめて出会うことが多く、抵抗力がありません。ですから、保育園に行きはじめ の一年くらいは、いつも風邪をひいていて、毎週末に熱を出すということもよく見られます。
多くの場合、3才になると、風邪をひく回数はぐっと減ります。それまでは、御苦労の連続で しょうが、お母さん、お父さん、がんばって!病児保育室も少しはお役に立てると思います。
でも、中には、ずっとゼイゼイしてしまってなおらなかったり、中耳炎が治らなくて、鼓膜切開を繰り返したり入院したり、というお子さんもいます。お子さんそれぞれの免疫力によって、風邪がどのくらいひどくなるか決まってくるのです。中には、ごく少数ですが、この時期からの集団生活がどうしても不向きだ、と思われる お子さんも出て来ます。こんな場合には、集団生活をいったん中止して、個別保育や保育ママさんなどのような方法を探したほうが良い場合もあります。お子さんにとって最善 の方法を考えてあげましょうね。

予防接種は、必ず早めに受けるようにしましょう。 ワクチンで防げる病気<VPD>は、受けずにかかってしまった場合、重症な合併症などが起こる場合があり危険です。集団生活では周囲に感染させてしまうというリスクもあります。

  • B型肝炎ワクチンは生まれてすぐ、ヒブ・肺炎球菌は生後2か月から、3種混合ワクチンは3か月から受けられる予防接種です。お子さんが乳児早期でしたら、ロタウイルスワクチンもお勧めします。(生後6~24週)
  • 麻疹風疹は、公費では1才からですが、1才前でも任意で受けられます。
  • 水ぼうそう・おたふくかぜは1才から接種できます。保育所で一人水ぼうそうやおたふくかぜの患者さんがでると、周囲への感染はほぼ必発です。有料になりますが、ぜひ受けましょう。1回だけだと、かかってしまうことが多いため、2回目の接種もお勧めしています。(標準は3才くらい)

カゼをひきっ放しになる保育所生活前にぜひ受けていただきたいです。

心の面ではどうでしょう。保育園はこどもにとってとても楽しいところだと思います。プロの保育士がやさしく世話をしてくれて、同年代の遊び相手がたくさんいて、広い園庭があって、いろいろな行事があって・・。
ですから、お子さんに負担をかけている、などと、引け目を感じることは全くないと思います。ただ、お子さんは、保育園に慣れるまでは、一日中張りつめていると思うのです。競争心もあるでしょうし、お母さんがいないところで頑張らなくては、という緊張感もあるでしょう。だから、お家に帰ってからは、ゆっくり、べったりと過ごしてほしいと思います。お仕事に復帰したばかりのお母さんにとって、とてもお忙しい日々だと思います。でも、家事は多少手抜きしてでも、お子さんと心を触れ合える時間を作ってくださいね。

私も子どもを生後2ヶ月から保育園に預けて仕事をしていました。ですから、休日は、小さな息子をじっくりかわいがれる大切な日でした。おんぶして町を歩いたり、公園にいったり、そんな当たり前のことが、とても素晴らしい貴重な時間に思えました。ぎゅーっと抱きしめて、<こうやってると、ママはなんでもわかっちゃうんだよーー今日も一日おりこうだったね!>なんて言ってましたね。本の読み聞かせもたくさんしてあげました。短かくても密な時間を作ろうとがんばっていました。なつかしい日々です。