院長コラム
絵本を読んで、親子の時間を紡ごう!
昨今、こどもの心の成長の問題が話題になっています。今回は、子どもたちの心を育てるのにとても大切な役割を持つ絵本について、書いてみたいと思います。
近ごろは子育てグッズといわれる商品が多様化し、しつけのビデオやら、乳児からの英語CDやら、いろいろな商品がでていますね。でも、最近のデータで、テレビやビデオを長い時間見ている赤ちゃんの中に、表情がなかったり言葉が出なかったりする子がいる、という研究結果が出ています。
こどもの心や感情は、ビデオやテレビから一方的に流れてくる情報では育っていきません。こどもの心は、こどもからの働きかけに対し、常に愛情のこもった返答が返ってくる、という、子どもとお母さんの信頼関係の上に、育っていくといわれています。
お母さんから愛情を込めて語りかけられる、絵本のひとことひとことにまさる教材はありません。
本を読んであげると、子どもが好きな場面、こわいところ、好きな登場人物などをお母さんは一緒に体験できます。こどもは何度も、そこを読んで、とせがみま す。はしゃぎますし、よくわらいます。こわいところは顔を隠したりして、物語に入り込んでいきます。物語に入り込むことで、想像力が育ちます。
また、お母さんも、自分の気持ちを、声にだして伝えることができるし、お母さん自身が物語を楽しみ、子どものころの心を思い出すことができるのです。お母さんが御自身の楽しみを伝え、子どもがそれに応える、子どもの喜びや興味をダイレクトに共有できる大切な時間なのです。
1才以下くらいの小さなお子さんでは、なかなかお話を聞くという状態にはならないかもしれません。小さい子には、小さい子の興味をひきやすい本がありま す。お歌の絵本で、絵を見ながらお母さんが歌ってあげる絵本とか、1ページに1つの絵が書いてあって、ページをめくるといないいないバア、って出来る本とか。
上手に読もう、なんて思わなくても良いのです。皆さんも、絵本をたくさん読んであげて、お子さんと楽しい時間を共有してください。
子どもが小さかったころ、子どもも私も大好きだった本を少し紹介します。
<いないいないばあ>
松谷みよ子赤ちゃんの本の第一作。
かわいい動物さんが、最初のページでは顔を隠していて、次のページでばあ、ってやっている絵本。ばあ、のときの動物のお顔がとてもかわいい。
赤ちゃん向け、絵本入門に最適です。
<ころわんとちくちくもじょ>
こいぬのころわんが野原で遊んでいたら、体に草の実がくっつきます。 なかなか取れなくて・・・、ねずみさんにそれが草の実だということを教えてもらいます。自分の小屋の前で、ぶるぶるっとして草の実を落としたころわんは、 じぶんの小屋の前が草原になることを夢見ておねんね。
ころわんのふわふわした感じがなんとも可愛い、いぬ好きの私にはこたえられない一冊でした。
<ぐるんぱのようちえん>
なにをやってもうまくいかないぞうのぐるんぱが、自分が失敗して作ってしまった大きすぎるクッキーやピアノや靴を使って幼稚園を作ってしまうお話。
ぐるんぱの幼稚園は、大きな靴のおうちや、ぐるんぱのおはなの滑り台や、お皿のプールがある、とても楽しい幼稚園。子ども相手に、♪♪♪ぼくは大きなぞうだぞう~♪♪♪と節をつけて歌ったものです。
<だるまちゃんとかみなりちゃん>
私がこどもの頃からあったシリーズです。かみなりちゃんが落ちてきて、助けてあげたので、お礼にかみなりの国につれていってもらうお話。かみなりの国が未来の国みたいで、とても楽しいです。
このシリーズの他の本、(だるまちゃんとてんぐちゃん、だるまちゃんととらのこちゃん等)もとても楽しい!
<かたあしだちょうのエルフ>
大きくて優しいだちょうのエルフが、動物の子どもたちを黒ヒョウから 守ろうとして、片足をとられてしまいます。はじめのうちは感謝され、大切にされていたエルフですが、次第に忘れられ、最後には砂漠に木陰を作る木になって しまう、という悲しいストーリー。でも、エルフの勇敢さ、やさしさが心にしみ入る、とても良いお話です。
大きい子向き。
まだまだ、お勧めしたい絵本はたくさんあります。当院の待合室にも、前述のころわんシリーズ、だるまちゃんシリーズは置いてあります。来院されたときにみて下さい。また、機会があったら、本の紹介をしていきたいと思います。
私の息子はもう成人になってしまいましたが、小学校5年生くらいまで本の読みきかせをしていました。絵本を卒業してからは、いろいろな少年少女文学を毎日少しずつ、読みました。接触時間が短い中で、本を読んであげる寝る前の30分は、母子双方にとって楽しみな時間でした。
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