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ロタウイルス胃腸炎
ロタウイルス胃腸炎とは…
ロタウイルス胃腸炎は、乳幼児のあいだで流行する感染性胃腸炎のひとつで、ロタウィルスが原因で起こります。ロタウイルスは特に気温の低下する冬場(1月~4月)に発生することが多いです。発展途上国では乳児死亡の主な原因の一つになっています。
ロタウイルス胃腸炎は、5歳までにほとんどの子どもが感染します。初めて感染したときに重症化しやすく、注意が必要です。
症状
ロタウイルス胃腸炎は、感染してから約1~3日で症状が出てきます。
主な症状は嘔吐、下痢です。発熱を伴うことも多いです。咳、鼻水など、上気道炎症状が見られることもあります。
嘔吐で始まり、発熱(半日~2日程度の期間)や腹痛の後、下痢が始まります。下痢は、しばしば、5~7日間続きます。水のような大量の下痢で、しばしばおむつからもれて、水たまりができてしまうこともあります。特に、ロタウイルスに初めて感染した場合に下痢が長引くことが多いです。
激しい嘔吐や下痢により急激に水分を失いますので、特に乳幼児では脱水症状に気をつける必要があります。脱水症状を呈するときには点滴治療や入院治療が必要な場合もあります。
ノロウイルスよりも発熱を伴う場合が多く、重症度が高いとされています。けいれんや脳炎、腸重積、麻痺性腸閉塞など合併することもあります。
治療
ロタウイルスなどのウイルス性の急性胃腸炎には、抗ウイルス剤はなく、特別な治療法はありません。治療は、脱水予防と下痢などに対する対症療法のみで、自然に治っていくのを待つしかありません。
詳しくは、“胃腸炎”の項を参照してください。
二次感染予防
ロタウイルスは感染力の強いウイルスです。ウイルスが感染すれば、大人も発症します。
下痢や嘔吐物の中には大量のウイルスが含まれています。乾燥するとホコリと一緒に舞ってしまうので、乾く前に処理しましょう。処理の際には マスクをつける方が安心です。手袋もあるといいです。処理後はしっかりと手を洗います。
汚染された床などは、うすめた塩素系消毒剤で広めに消毒します。この時は必ず手袋をつけるようにし、換気をよくすることが大切です。
ロタウイルスは、環境にも強く、乾いた場所なら10日間ほど生きていますし、インフルエンザとは違い消毒用のアルコールにも強いウイルスです。また、下痢の症状がなくなっても、約1~2週間は便中にウイルスの排出が続いている ので、おむつ替えのあとの手洗いなどには十分注意しましょう。
ワクチンによる予防
感染力が強いため、衛生状態に気をつけても予防が難しいロタウイルス。何度か感染すると免疫がついて、胃腸炎の症状は軽くなりますが、赤ちゃんが初めて感染すると激しい下痢や嘔吐となり、看病する家族にも大きな負担がかかります。
WHO(世界保健機関)では、ワクチンによるロタウイルス胃腸炎の予防を奨励しています。ロタウイルス胃腸炎予防ワクチンは、世界120か国以上ですでに認可されています。
ロタウイルス胃腸炎予防ワクチンは、ロタウイルスの病原性を弱めた、飲む生ワクチンです。ワクチンを接種すると、赤ちゃんのおなかの中でロタウイルスに対する免疫がつくられます。そのため、ロタウイルスに感染しても胃腸炎を発症しない、または 発症しても点滴や入院が必要になるほどの重症化をほとんど抑えられます。
接種対象は、生後6週から24週までの赤ちゃんです。この期間に2回接種します。
費用補助がなく金額が高いワクチンなので、経済的な負担は大きいですが、かかってしまうと大変!お子さんもお父さんお母さんも大変つらい思いをします。是非接種を受けていただきたいと思います。
生後2ヶ月でのワクチンデビューをこころがけ、出産後早めにご相談くださいね。
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