症状一覧
口内炎
どんな病気が考えられる?
注意しなければいけない病気は?
口内炎は様々な原因で生じます。子どもの約9%が口内炎を発症すると言われており、非常に多い症状です。
多くの場合、原因は外傷性(噛んでしまった、ぶつけたなど)、ヘルペス・エンテロ/エコー/コクサッキー・EBなどのウイルス感染、カンジダなどのカビによる感染、薬の副作用などであり、2週間程度で痕を残さず改善します。
稀に、2週間以上続く場合や、何度も再発する場合があり、その場合はビタミンや葉酸の欠乏、常用薬の副作用などの原因が考えられます。さらに稀ですが、PFAPA症候群・SLE・Crohn病などの自己免疫疾患、腫瘍性疾患の一症状として口内炎が出てくることもあります。
(Légeret C et al. Ital J Pediatr. 2021 Jun 30;47(1):144.)
当院では、診察の際に詳しく症状と経過をお伺いして、必要だと判断した場合には血液検査など必要な検査を検討しています。慢性経過や反復性でより詳細な検査が必要と判断した場合には大きな病院へ紹介状をお書きしています。まずはご相談ください。
クリニックでしてもらえる検査はある?
これまでの経過、口内炎と一緒に出現している症状をお伺いの上で、診察を行い、原因と考えられる病気を絞り込みます。
ヘルペスやエンテロ/エコー/コクサッキー、カンジダの感染症であれば、症状から診断可能です。EBウイルスも症状から診断可能な場合があり、必要に応じて血液検査などで補助診断を行います。薬の副作用と考えられる場合には、ご両親と相談の上で薬の中止をしてみて症状が改善するか確認します。
2週間以上症状が続く場合や、何度も再発している場合には、随伴症状がさらに大切になってきます。飲んでいる薬の確認、口内炎と一緒に出現している症状などを詳細にお伺いして、当院で対応可能な検査があれば行います。(血液検査など)
診察の結果、より詳細な検査が必要と判断した場合には、大きな病院へご紹介します。
どんな治療があるの?
当院では、下記のステロイドの塗り薬・漢方薬を処方しています。
トリアムシノロンアセトニド口腔内軟膏/貼付剤:
口内炎に直接塗る/貼るステロイドです。口内炎の炎症を抑えることで、痛みを抑制する効果が期待できます。飲んでしまっても問題ありません。
漢方薬が飲めるお子さんであれば、桔梗湯・小柴胡湯加桔梗石膏も効果が期待できます。少量のお湯で溶かして、氷などで冷やし、少しずつなめるようにして内服すると効果が高まるようです。
おうちでどんなことができる?予防法はある?
原因と考えられることがあればやめてみましょう:
怪我を避ける、歯ブラシを柔らかいものに変える、刺激の強い食品(香辛料、炭酸など)を避けるなどが効果が期待できます。もしこれらの原因があるようであれば可能な限りやめてみましょう。
バランスのよい食事をとる:
特定の物だけ食べる、もしくは食べないことでビタミンや葉酸、亜鉛の欠乏につながります。バランスの良い食事を取りましょう。当院には栄養士にもいますので必要であれば相談可能です。サプリメントで栄養を補うのはおすすめしていません。過剰投与につながる可能性があるためです。
コンクールFなどのクロルヘキシジンを含んだうがい液が効果があるようです。
(Belenguer-Guallar I et al. J Clin Exp Dent. 2014 Apr 1;6(2):e168-74.)
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