症状一覧
おねしょ・夜尿
どんな病気が考えられる?
夜尿は決して珍しい症状ではありません。5-6歳では20%、13歳以上でも1~3%程度に夜尿が認められたと報告されています。昼間はおもらしなどがなく、生まれてから今までずっと夜尿が続いているパターンを一次性単一症候性夜尿症と言い、最も多いパターンで、かつ、この場合は大きな病気が隠れている可能性は少ないとされています。注意しなくてはいけないのは、一旦おむつが外れて夜尿もなくなっていたのに、ある時から急に夜尿が再開したパターン(二次性)・寝ているときだけではなく、昼間もおもらしをしてしまったり、尿をするときに痛みがあったりするパターン(非単一症候性)です。これらの場合、背景に原因となる病気が隠れていることがあるため、その検索が必須です。当院ではまずは問診と診察・尿検査などを行って、上のどのパターンに当てはまるかを考え、その上で治療ご提案します。
尿検査:
腎臓の異常がないか、尿路感染症がないかなどを検査します。腎臓の異常が疑れる場合は大きな病院へ紹介することもあります。
腹部X線:
便秘が背景にあると夜尿が治りにくいです。問診と診察から便秘を疑った場合に、撮影することがあります。
腹部超音波検査:
便秘や腎臓の形を確認するために行うことがあります。
血液検査、MRI検査:
腎機能や神経の異常を疑った場合に行うことがありますが、当院では限界があるため、大きな病院へ紹介します。
夜尿症の最も重要な治療は、生活習慣を整えることです。生活が乱れた状態で以下の薬物治療を行っても効果が期待できないばかりか、副作用の危険が高まります。詳細は「ホームケア」で説明します。以下、一次性単一症候性夜尿症に対する薬物治療を記載します。
デスモプレシン口腔内崩壊錠:
水分の再吸収を促すホルモン「デスモプレシン」を飲む治療になります。とくに夜尿の量が多い子に効果が期待できます。ただし、投与前1時間~8時間後までの水分量が240mlを超える場合は副作用の危険があり投与できません。
アラーム療法:
パンツ(おむつ)の中に、水分を検知するセンサーをつけて、検知するとアラームが作動するようにしておく治療です。夜尿を検知するとアラームが鳴り響いて本人を起こします。とくに夜尿の頻度が高い子に効果が期待できます。ただし、夜アラームが鳴り響くのでご家族の理解が必要なこと、自費診療となることなどのデメリットがあります。
夜尿症の治療で最も大切なことは、生活習慣を整えることです。夕食後の水分摂取をコップ1杯までにする、夕食を就寝2時間前までに済ませる、夕食での大量の塩分・水分摂取を控える、就寝前に完全排尿する、夜更かしを避ける、睡眠中の寒さや冷えを避けるなどが大切です。
また、便秘が夜尿の背景にあることが多く、その治療を行うだけで夜尿の改善が期待できることも多いです。毎日十分な量の便が出ているか、硬い便が出ていないか、便をするときに痛みを伴っていないか、排便にすごく時間がかかっていないかなどの確認をお願いします。
病気一覧
- 夜尿症
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