症状一覧
咳
季節の変わり目は咳が出やすい、というお子さんは少なくないと思います。
寒暖の差が激しくて粘膜が傷みやすいためもあるでしょうし、アレルギーの関係する咳で、気圧などに影響されて、咳が出やすい、という事情もあるでしょう。
せきはなぜでるのか。咳は、気管や気管支に、分泌物が溜まって、それを出すために、気管支の粘膜や周りの筋肉、横隔膜、などが収縮することによってでるのです。ですから、咳は、止めればよい、というものではありません。タンを出す、という、人の体にとって重要な役割を持っているのです。咳を強く止めると、痰がたまってしまい、肺がつぶれてしまったり、肺炎を起こしたり、ということもあるのです。
咳は咳でも、いろいろな咳がありますよね。
ゲホゲホ・コンコン・ケンケン、いろいろに表現されます。
◆乾性咳嗽◆
普通風邪をひくと、まず、乾いたせき、コンコン、というせきがでますよね。これは、ウイルスなどの感染や、寒さの刺激、などによって、咽喉や鼻の粘膜に炎症がおこり、刺激されてでる咳です。こういう咳の時には、まだ、痰はそれほど出ず、気管の炎症も強くないでしょう。
◆湿性咳嗽◆
かぜが長引くと、ごほごほした湿った咳になってきますよね。気管の中に、分泌液(痰)が溜まったものを出すためにでる咳です。感染やアレルギーの関与によって、気管の粘膜からの分泌物が多くなったり、副鼻腔炎などで鼻水が気管の方に流れ込んだりして、このような咳が出てきます。呼吸をするときにゼイゼイ、ゼロゼロ音が聞こえることもあります。このような咳がでるときには、痰や鼻水の色が、どんな色をしているかに注意して下さい。痰が緑色や濃い黄色になり、それが長引くときには、細菌性の気管支炎になっていることが多く、抗生物質の治療が必要かもしれません。大切なのは、痰をなるべく出して気管の中をきれいにするように努力することです。背中をたたいて咳をさせて痰を出す、水分をたくさんとり、また、空気を加湿したりして痰を柔らかくする、等、やってみて下さい。
◆犬吠様咳嗽◆
これは、クループといって、気管の入り口近くにある声帯周辺が腫れることによってでる咳です。声が嗄れることもあります。吸気性喘鳴(息を吸うときにヒュウヒュウいうこと)を伴うような場合には、空気の通り道がかなり細くなっていることが予想されるので、厳重な注意が必要です。部屋の空気をうんと加湿することで、悪化を防ぐことができるかもしれません。ほかに、気管の中に異物がはいってしまっている場合でも同様の咳がきかれることがあります。
◆痙性咳嗽◆
アレルギーによる咳(喘息など)、百日咳、マイコプラズマ肺炎などできかれる咳です。顔を真っ赤にして咳き込む、などという様子がみられます。アレルギーによる咳は、熱など他のかぜ症状はないのに、咳だけが長く続いていて、薬の効果があまりない、季節性がある、等の特徴があります。百日咳では、咳き込んだあとにヒューと音をさせて息を吸い込む、レプリーゼと呼ばれる症状がみられることがあります。
咳が出るのは本人にとってとても辛いことですよね。特に夜の咳は睡眠を妨げ、生活にも支障を来します。見ているほうも辛いですよね。
咳がひどいときに、家でできること。
まずは、部屋の空気の加湿でしょうか。乾燥した空気は、気管や鼻の粘膜を刺激し、痰も固くなるので、咳はひどくなります。クループでも、乾燥した空気は声帯付近の狭窄をより悪化させます。加湿器をつかったり、洗濯物を家の中に干したりして、空気の乾燥を防ぎましょう。
また、、咳がひどくて寝つけないときには、背中の後ろにクッションなどを置いて、少し上体を高くしてあげると楽になることがあります。
ゼイゼイがひどくて肩で息をしている、とか、顔色がひどく悪い様な場合には、救急の受診が必要でしょう。
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