症状一覧

2012年09月01日症状一覧

B型肝炎のワクチンをうけましょう!

B型肝炎は、HBV(B型肝炎ウイルス)の感染によって引き起こされる病気です。
多くの人は、血液や性行為を介して感染するものだから、自分は大丈夫、と思っていらっしゃるのではないでしょうか。

日本では、B型肝炎ウイルスの感染者は約100 万人(約100人に1人)と推定されています。急性肝炎で重症になって死亡することもありますし、慢性肝炎、肝臓がんなどで死に至ることもある感染症です。
子どもが感染すると、キャリア(ウイルス が体内にすみついた状態)になりやすく、そのときは無症状でも、将来慢性肝炎や肝硬変や肝臓がんなどを引き起こします。B型肝炎の専門家の先生によると、B型肝炎のキャリアのお子さんの中には、10代で肝臓がんを発症する例もあるそうです。

 

最近、日本にはなかったタイプのB型肝炎(遺伝子型A)が海外から持ち込まれ、日本で拡がっています。このタイプの肝炎は、肝炎自体の症状は軽いのですが、従来日本で主流だったタイプ(遺伝子型C、 B)に比べるとキャリアになりやすく、本人が知らないうちに周囲の人に感染させてしまう可能性が大きくなります。今後、感染の機会はふえていくことが予想され、心配です。

 

現在はキャリアのお母さんからの感染を防ぐための母子感染予防策として、ワクチンとガンマグロブリンの投与が行われています。しかし、近年、母子以外の家族内感染、感染経路不明で乳幼児がB型肝炎ウイルスに感染する例などが報告され、母子感染予防だけでは、対策が不十分であるという状況がみえてきました。(乳幼児のB型肝炎で、母からの感染は65%で、のこりは母以外からの感染だそうです)
血液だけでなく、涙や汗、唾液からもウイルスが感染することがわかってきています。汗や涙、唾液で感染するとなると、小さい子どもたちが集団生活をする保育園、幼稚園はリスクが高いと考えられますよね。

 

WHO(世界保健機関)は、1992年、生まれたらすぐにこのワクチンを国の定期接種として接種するように指示しており、現在世界中の赤ちゃんの75%がB型肝炎ワクチンを接種しています。
B型肝炎をワクチンによって予防することによって、B型肝炎から進行する肝硬変や肝臓がんを防ぐことにもなります。そういう意味で、ガン予防ワクチンであるとも言えます。

日本は、予防接種対策が大変立ち遅れており、現時点では接種には費用がかかってしまいますが、子どもたちの大切な命を守るために、ぜひ、B型肝炎ワクチンを接種していただきたいです!
保育園に通っている(これから通う子も含め)小さい子どもたちには特に積極的にお勧めしたいです。
B型肝炎は、一度感染してしまうと、決め手になる治療法がない病気です。
他の全てのワクチンにも共通して言えることですが、取り返しのつかない結果を避けるために、罹ってしまう前に積極的にワクチンをうけておくべきです。

★接種スケジュール★
生後すぐから接種可能です。接種年齢の制限はありません。
1回目接種後、1ヶ月あけて2回目を接種、その後5~6ヶ月あけて追加接種をします。
小さい赤ちゃんには、ヒブ、肺炎球菌ワクチンとの同時接種をお勧めしています。その他、どのワクチンとも同時接種が可能です。