症状一覧

2014年03月01日症状一覧

頭を打ったとき

子どもがベビーカーから落ちて、頭を打ってしまいました。すぐ泣きましたが、少し吐きました。
今は顔色も悪くなく、よく眠っています。このまま寝かせておいて大丈夫でしょうか。

小さい子は、転びやすいし、しばしば頭を打ちますよね。多分、子育てをしていて、子どもが頭をぶつけてしまった経験がない人はいないでしょう。
頭をぶつけてしまった時、おきる可能性のある外傷としては大きくわけて4つあります。

  1. 脳のダメージ(脳震盪のように、軽く、すぐ回復するものから、脳挫傷のように重症なものまでいろいろです。)
  2. 軟部組織の損傷(こぶ、頭皮下出血)
  3. 頭蓋骨骨折
  4. 頭蓋内出血(硬膜外血腫、硬膜下血腫、脳内出血)

子どもの場合、頭蓋骨がやわらかく変形しやすいため、小さな外力でも思わぬ脳損傷を引き起こすことがあるようです。

受傷直後:けがをした後意識状態が悪く、ぐったりして顔色が悪い、けいれんした、というような状態では、すぐに脳外科を受診すべきでしょう。

  • 意識が大丈夫でも、吐き気が非常に強い場合は心配です。
  • 頭皮下に大量の出血をする場合や、頭蓋骨陥没骨折等も起こることがあるので、頭の変形がないかどうかも注意してみて下さい。
  • 大きめ(直径4~5㎝くらいから)のこぶができて、中に血液が貯まってブヨブヨしているようなときは、頭蓋骨骨折を伴っていることが多いです。

このような心配な症状がある場合も、すぐに受診をした方がいいでしょう。

受傷後~24時間まで:最初は意識は問題なくて泣いたけれど、その後泣き疲れて寝てしまった、あまりによく寝ているので心配、という相談をよく受けます。
そんなときには、顔色、呼吸の仕方などをよく観察しながらしばらく寝かせてみましょう。顔色がだんだん悪くなる、とか、呼吸が不安定、とか、吐気が出てくる、等という状態は要注意です。このように変わった様子がなくても、2時間ほどしたら起こして、意識状態を確認してみて下さい。最初に意識があっても、脳の外に血腫ができる硬膜外血腫、硬膜下血腫等の場合には受傷後数時間して意識障害、けいれんなどを起こしてくることがあります。受傷後24時間は要注意です。夜寝ているときも、お子さんの状態には充分注意して下さい。

24時間以後:24時間経っても元気で意識状態に問題はない場合、とりあえず危険な時期は過ぎたと言えます。しかし、その後じわじわと出血するタイプの出血が起きていることがありますので、頭囲拡大、元気がない、ミルクの飲みが悪い、等の様子がある場合には受診して下さい。

自転車の補助イスに座っていて転倒、歩行器にのっていて玄関に転落、ベビーカーの上でぐずって転落、滑り台の上で友達に押されて転落・・・・子どもの事故のたねは尽きません。
子どもの事故は、大人が防いであげなければいけません。
取り返しのつかないことが起きてしまわないよう、日々、事故防止に気を配りましょう。