症状一覧

2024年05月06日症状一覧

38℃以上の熱が長引いている

どんな病気が考えられる?

38℃以上の熱が続くのは心配ですよね。お子さんの場合、長引く熱の原因で最も多いのはウイルス感染症(風邪)です。(”急性上気道炎”参照)
咳・鼻水がでていて、ある程度元気があれば、焦る必要はありません。
かぜによる熱が長引いてきた場合、最も問題になるのは、「脱水」です。そのため、熱が出た日からしっかり水分を取らせておくのが大切になってきます。

ただ、38℃以上の熱が5日以上続いている場合は、かぜ以外の疾患も考えていかなければなりません。かぜの次に多い病気は「細菌感染症」です。具体的には、肺炎、中耳炎、頚部リンパ節炎、扁桃周囲膿瘍、咽後膿瘍、蜂窩織炎、尿路感染症などです。これらの病気の場合は、典型的なかぜよりもやや元気がないことが多いです。

また、頻度はやや下がりますが、重要な病気として、川崎病があります。川崎病は、眼の充血、唇や舌の先の赤み、頚部の腫れ、体幹の発赤疹、手足の先の腫れ・赤みなどを伴っている場合に疑います。

さらに熱が長くなってきた場合、伝染性単核球症、自己免疫疾患、腫瘍性疾患、炎症性腸疾患などの稀な病気も考えられます。

診察時に、これらの病気の可能性がないかについてしっかりと診察させていただきます。その上で、現在の考えられる診断名、今後の観察のポイント、再受診の目安をお伝えさせていただきます。
なお、当院での対応が難しい場合には紹介するなどの対応を取ることもあります。

クリニックではどんなことをするの?
検査はしてもらえるの?

まずはお子さんの自宅での様子を詳細に伺い、その上で、しっかりと全身診察をさせていただきます。検査はあくまでも診断の補助であり100%の検査はありません。

熱が長くなるウイルス感染症(かぜ)の代表として、アデノウイルス感染症が挙げられます。アデノウイルス感染症では熱が10日続くことがあります。この場合、比較的元気であることも特徴です。診察の際に、検査のメリット・デメリットをお伝えした上で、必要があれば検査を行います。

また、熱が長く、元気もない場合には、血液検査を行うことがあります。血液検査では、病原体の特定やどこが悪いのかなどはわかりませんが、体の中全体でどのくらい大きなことが起こっているか、おおまかに評価を行うことができます。白血病などの疾患についても血液検査を行うことでスクリーニングすることが可能です。必要と判断した場合には、診察時に検査についてさらに説明いたします。

どんな治療があるの?

最も大切なことは、水分・塩分・糖分をしっかりとること、しっかり休むことです。薬による治療だけでは病気は治らず、最終的には本人の免疫力が病気を治すのに必須です。 

解熱薬

体温を1℃さげて、熱に伴う不快な症状を取り除く効果があります。効果は2時間程度持続します。

抗菌薬

中耳炎などの細菌感染症で、かつ元気がある程度あり飲み薬のみで治療ができそうな状態の場合、当院で抗菌薬の飲み薬による治療を行います。抗菌薬は血中濃度をある程度以上に保つ必要があるので、1日3回飲まなくてはいけないことが多いです。(例外もあります。)また、飲み薬の抗菌薬治療で改善がない場合には点滴による治療が必要になるため、大きな病院へ紹介します。

受診までに自宅でできることはある?

水分をとらせる:

OS-1やポカリなど「塩分」「糖分」が入った水分を、たくさん摂取するのが大切です。熱がでたばかりの時は食欲も出ないことがあります。食事が全くとれない場合、体重×100ml程度の水分が必要です。

症状をよく観察する

元気は普段と比べてどうか、ご飯は食べられそうか、おもちゃを見せると遊ぶか、熱以外の症状はどうかなど、本人の様子をよく観察してあげてください。体温は必ず「接触式」の体温計で正確に測ってください。

入浴・シャワー

本人の元気がある程度あれば、お風呂は普段通りに入っても大丈夫です。

病気一覧

  • 急性上気道炎(かぜ)
  • 川崎病
  • 急性肺炎
  • 急性中耳炎
  • 頚部リンパ節炎
  • 扁桃周囲膿瘍、咽後膿瘍
  • 蜂窩織炎
  • 腎盂腎炎
  • AFBN、腎膿瘍
  • 伝染性単核球症
  • Crohn病、潰瘍性大腸炎

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