症状一覧
鼻水、鼻閉
どんな病気が考えられる?
鼻水がたくさんでるウイルスってどんなもの?
鼻水の色が変わってきた、これって副鼻腔炎?
ウイルスが体に侵入するとき、たいていの場合はまず鼻やのどの粘膜から侵入します。鼻水はウイルスに対して人体が分泌する防御物質です。つまり、最も考えられる病気は風邪なのです。
その他に鼻水がでる病気としては、アレルギー性鼻炎、鼻の中の異物、副鼻腔炎、稀な腫瘍などがあります。(各リンク)
診察の際にしっかりと病歴をお伺いして、病気を絞り込みます。
鼻水が特に多くなるウイルスとしては、RSウイルス、ライノウイルス、パラインフルエンザウイルスなどが知られています。もちろん他のウイルスでも鼻水が出ます。
鼻水の色は、最初は透明で、徐々に黄色になります。緑色の鼻水がでることもあります。ウイルスとの戦いの結果出たゴミを片づけるために出てきた白血球によって、鼻水が黄色になり、さらにミエロペルオキシターゼなどの酵素がでてくることによって緑色になるそうです。
実は鼻水の色で副鼻腔炎はほとんど予想できません。アメリカの有名な小児感染症の教科書「Feigin and Cherry’s Textbook of Pediatric infectious Diseases
」にも、子どもの副鼻腔炎に特徴的な症状はないことが明記されています。また、お子さん年齢によっては、副鼻腔自体がまだないこともあります。「副鼻腔炎だから抗菌薬を飲みましょう」と言われたら、本当に必要か、かなり気をつける必要がありそうです。
検査はしてもらえるの?
RSウイルスは1歳未満のお子さんであれば調べることができます。ただ、インフルエンザの検査と同様に鼻の奥を綿棒でこする検査で、かなり痛いので、診察をして必要があると思われたお子さんにのみ検査をおすすめしています。また、ライノウイルス、パラインフルエンザウイルスを調べる検査は研究室レベルでしか行えないので、クリニックでは行っていません。
レントゲンをとることで副鼻腔の液体貯留を調べることができる検査があります。ただ、顔面に放射線を照射する検査であること・年齢によっては副鼻腔ができていないこと・実は副鼻腔に液体が貯留している=副鼻腔炎ではないこと・撮影方法が特殊であることなどから当院では行っておりません。
鼻水と鼻づまりを直す薬はある?
●ムコダイン(カルボシステイン)
鼻やのどの粘液分泌・線毛運動を促すことで鼻水や痰の粘調度を下げて出しやすくする効果があります。いわゆる「鼻水をだしやすく」する薬といえます。ただし、鼻水を減らす効果はなく、むしろ増える可能性もあります。また、副作用として吐気や下痢の報告があり、そのような場合には使用中止したほうがよいと考えます。
●抗ヒスタミン薬(ポララミン、アタラックスP、ザイザル、レボセチリジン、アレグラなど):
アレルギー性鼻炎のお子さんの場合、鼻水を減らす効果があります。しかし、かぜの鼻水に対しては効果がなく、むしろ鼻水の粘調度が上がり、中耳炎などが治りにくくなることが報告されています。また、ポララミン、アタラックスPは脳に作用するため、眠くなったり、けいれんが長くなったりする副作用もあります。(当院ではかぜの時は処方していません。)
●ステロイド点鼻薬(アラミスト、ナゾネックスなど):
急性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に対し、鼻づまりをとる作用が報告されていますが、かぜの鼻水には効果がありません。(当院ではかぜの時は処方していません。)
●点鼻血管収縮薬(プリビナ、コールタイジンなど):
鼻の血管を収縮させて一時的に鼻づまりをとります。しかし、ずっと使っていると薬剤性の鼻閉になり、手術が必要となってしまうこともあります(当院では処方していません)。
鼻を吸ってほしいんだけど?
一時的に鼻が通りますが、自宅に帰るころにはもとに戻っていること、吸引の際に非常に飛沫が飛ぶことなどから、2024年現在、患者さんからの希望による鼻汁吸引は行っておりません。
鼻水の色が変わったから抗菌薬が必要?
先述のように、鼻水の色と副鼻腔炎はほぼ関係がなく、原因のほとんどはウイルスです。当院では、鼻水の色で抗菌薬を処方することはありません。細菌性副鼻腔炎と診断した場合には抗菌薬を処方することもあります。もっと詳しくお知りになりたい方は診察の際に聞いてみてください。
鼻水、鼻づまりに対して自宅でできることは?
どうなったら受診したほうがいい?
部屋に加湿器をつける、できるときはマスクをつけるなど、加湿をすることでウイルスが空気中に舞いにくくなり、感染しにくくなるといわれています。
風邪の予防:
基本的な感染対策「”手洗い”、”うがい”、”手指消毒”」が大切です。
鼻やのどを加湿しましょう:
部屋に加湿器をつける、できるときはマスクをつけるなど、加湿をすることでウイルスが空気中に舞いにくくなり、感染しにくくなるといわれています。
鼻水を吸ってあげて:
特に6ヶ月未満の乳児は、口呼吸が苦手で、鼻水を吸うだけで呼吸状態がよくなることもあります。哺乳の前に吸うことで飲める量が増えるかもしれません。
また、鼻吸いの前に少量の生理食塩水を垂らしてあげると鼻が柔らかくなり吸いやすくなることがあります。お風呂の後も鼻水が柔らかくなって吸いやすくなっていることが多いです。
少し大きい子になると鼻がかめる子もでてきますね。鼻がのどに垂れると咳が増えます。積極的に鼻をかみましょう。
まだ鼻がかめない子は、
・家族の方が、楽しそうに鼻をかんでいる姿を見せてあげる。
・鼻の前に、ティッシュをたらし鼻息でティッシュが、揺れるのを見せる。
・4分の1位に切ったティッシュをこよりにして、先を鼻に少し入れ、飛ばす競争をする。
・お風呂の時に、お子さんと一緒に手で鼻をかむ。
などで練習をするとよいかもしれません!
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