症状一覧

2024年05月08日症状一覧

のどが痛い

どんな病気が考えられる?
注意しなければいけない病気は?

最も一般的なのどの痛みの原因はウイルス感染症、つまりかぜです。
特にのどの痛みが特徴的なウイルスとして、アデノウイルス、エンテロウイルス、EBウイルス、サイトメガロウイルスなどが知られています。その他にもインフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルスなど様々なかぜのウイルスがのどの痛みを引き起こします。

咽頭炎の1/5は溶連菌の感染症とも言われています。新型コロナが5類に変わったこの2-3年、溶連菌による感染症が過去10年で1番と言われるほど流行しています。溶連菌による咽頭炎は、”リウマチ熱”という合併症を予防するために抗菌薬を飲む必要があります。ただし、3歳未満の低年齢は典型的な症状を起こさないとされており、合併症も起こしにくいため積極的な検査・治療は必要ありません。

のどをしっかり診察することで、溶連菌に感染しているか、それともそれ以外の咽頭炎かはある程度診断可能です。のどが痛い時にはぜひ診察させてください。

のどが痛すぎてよだれも飲めない、口が開かない、首が回らないという場合は注意が必要です。扁桃周囲膿瘍・咽後膿瘍、急性喉頭蓋炎、川崎病などの入院治療が必要な病気であることがあります。もしそのような症状が出現した時には、即日受診を検討してください。

検査はしてもらえるの?

溶連菌迅速抗原検査:

年齢、周囲の流行状況、のどの診察の結果などから溶連菌が疑われる場合には、検査を行います。実は検査の精度は80%程度であり、医師の診断の補助です。そのため、診察の結果必要ないと判断した場合には、ご希望があっても検査は行いません。(検査結果の解釈ができなくなるためです。)

ウイルス迅速抗原検査:

アデノウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルスなど一部のウイルスは迅速抗原検査を行うことができます。周囲の流行状況、症状、診察などの結果を踏まえて必要と判断した場合、検査を行います。

ウイルス特異的抗体価検査:

EBウイルス、サイトメガロウイルスなどは、血液検査を行うことで感染しているか判断ができます。ただし、特効薬はないため、症状がでたばかりの時に積極的に検査をする必要はありません。

どんな治療がある?

溶連菌:

抗菌薬を飲むと症状が1日短くなります。扁桃周囲膿瘍、リウマチ熱という合併症を防ぐために、抗菌薬は必ず10日飲む必要があります。3歳以下の低年齢のお子さんの場合、これらの合併症を起こしにくいと言われていますので、検査も積極的には行いません。

それ以外の咽頭炎は、特効薬がなく、痛み止め(アセトアミノフェン、トランサミン)、のどあめ(トローチ)などの症状をやわらげる薬を使用します。

家でできることはある?

うがいをする:

【約20mlの水道水で15秒×3回】を1日3回することでかぜを予防できる効果があることを示した論文があります(Satomura K,et al. Am J Prev Med. 2005 Nov;29(4):302-7.)
その論文によるとポピドンヨードなどの消毒液を使用しても、水道水を上回る効果はなかったそうです。消毒液は使い方によっては粘膜を荒らす可能性もあるため、もしうがいをするのであれば水道水で頻回に実施することをおすすめします。

水分をとらせる:

OS-1やポカリなど「塩分」「糖分」が入った水分を、たくさん摂取するのが大切です。熱がでたばかりの時は食欲も出ないことがあります。食事が全くとれない場合、体重×100ml程度の水分が必要です。

症状をよく観察する

元気は普段と比べてどうか、ご飯は食べられそうか、おもちゃを見せると遊ぶか、熱以外の症状はどうかなど、本人の様子をよく観察してあげてください。体温は必ず「接触式」の体温計で正確に測ってください。

病気一覧

  • 急性咽頭炎・扁桃炎(かぜ)
  • プール熱・アデノウイルス感染症
  • 手足口病・ヘルパンギーナ
  • 溶連菌性咽頭炎
  • 伝染性単核球症 
  • 扁桃周囲膿瘍、咽後膿瘍
  • 急性喉頭蓋炎
  • 川崎病